ツール・ド・奥多摩210km その3 帰るまでがロードバイクです

風張峠の頂上ゴールを達成し、寒さ対策フル装備でダウンヒルもクリアしていよいよ相模湖へ向かう。

前回は檜原村役場の方に抜けていったが、今回は秋川渓谷の手前で、ダウンヒルの勢いを借りたまま、浅間峠方面へ右折。

昨晩のガーミンedge1000Jへのルート設定の賜物で道には迷わない!はず。

分岐点では後続を待っているような2人組のローディを一瞥して颯爽と進むが、すぐに上りが始まる。

山に囲まれた道をダウンヒルしていていつか右折するから、きっと上るんだろうなーと嫌な予感はしていたが、まんまと上り。でも、風張峠に比べれば距離は短いはず!と自分を鼓舞して、再度、ヒルクライムね突入する。

ダウンヒルで足が回復しているのを期待したがそんなわけもなく、あっという間にギアを使い果たしえっちらおっちら上る。

甘く見てたが、距離が短くて上るこの峠。勾配がきつい。心が折れそうになったのは先に進んで現れた左ヘアピンカーブの上り。

自分の左側にそびえ立つ20、30メートルはありそうなすぐ横の崖へ向かって続いている。ビルの高さで6階分くらいをつづら折りで上るのか。

かのツール・ド・フランスでも有名なラルプデュエズのミニチュア版ではあるまいか。と、思い込めばそれなりに攻略しがいがあるが、体はついてきていないので、必死の形相で上り続ける。

ヘアピンを曲がり、先へ長く伸びる坂を見て、あのさきで終わりであってくれと心の底から願いを坂の神様に祈りながら進む。

山梨県突入

願いが通じたのか、以外とあっさり坂は終わりを告げ、平坦な道の先にトンネルが見える。文明は素晴らしい。この峠をトンネルでショートカット。ついに相模湖か!

と思ったら山梨県上野原市の標識。

え、山梨なの。

ついに自転車で山梨県まで来てしまった。いや、もう帰り道のつもりだったんだけど。

ロードバイクのすごさにあらためて驚愕し、先へ進む。上ったご褒美のダウンヒル。最近、気づいたが、ダウンヒルの高速域の方がもしかしたら、好きかもしれない。風を、コーナーを切って弾丸のように進む感覚、しかも、楽。このためにヒルクライムしているような気分になる。

山梨の森を抜けた先に待っていたのは、のどかな田園風景だった。山に囲まれた奥多摩とは全くことなる風景をしばし楽しむ。

ここで、ガーミンのバッテリーアラート。携帯バッテリーを繋ぐためにしばしストップ。疲れはそれほどでもないので、簡単に補給をすませて先に進む。ただ、2度目のヒルクライムのあたりでとうとう右膝が痛み出していた。ここからはリラックスケイデンス走法に切り替えねば。もしくは、ゾンビモード。超軽めで意識をなくしてくるくる回す。

ゾンビが山梨県上野原市を進んだ滞在時間は1時間もなかっただろう。舞台は相模湖へ移る。しかしここで国道20号への分岐を間違えて、相模湖へ注ぐ川を渡ってしまう遠回りルートへ。ガーミンナビはアラートしてくれたのになんたるミス。

もどる気力もないので、戻れない不安を抱えながらも先へ。ついに相模湖、神奈川県突入。

しかし、相模湖はあまりみえないまま、ひたすら山あいの道をゾンビは進む。そろそろ相模湖終わっちゃうよーというところで20号へ合流する橋にたどり着けた。

相模湖

相模湖

まだ4時くらいだろうか。日がずいぶんながくなってきた。春はすぐそこだろうか。相模湖は細長く延びていた。

ここから、高尾山を抜ける道もあるが、もう山はいいし、新しいルートを進みたいので津久井湖方面へ相模湖沿いを進む。

途中、山を削って支柱で支えている道があるが、往年のリッジレーサーのコースのようで少し盛り上がる。ドリフトはできないが、自転車で走るのも気分が良い。

しばらくして相模湖を離れて、少しの上りを挟んだら、ついに津久井湖。しかし、街中を進む幹線道路からはその影も形もなく、ひたすら普通の道を進む。最後の方でちらりと津久井湖が見えたが、出し惜しみされた気分。

そして相模川を、越えるともう南橋本駅にたどり着く。文明の匂いがしはじめる。ようやく帰り始めたと感じることができた。

南橋本から、府中方面へ抜けて、多摩川をわたらずに、川崎側を帰るルート設定。

多摩川直前で、最後の補給をコンビニで済ませたのは8時前。すでに180kmは走破した。しかし、このまままっすぐ帰ると恐らく200kmしかいかない。

佐渡島ロングライド210kmのシミュレーションが今回の大きな目的でもあるので、二子玉川をこえ、環八からさらに南下し、距離を稼ぐことにする。

もはやおまけモードなので、早く帰りたいのだが、なかなか距離は増えず、武蔵小山、戸越銀座を抜けて、結局、大崎まで。そろそろ戻れば丁度いいくらいと帰路についた。

ただ距離を稼ぐためだけの走りだが、家の近くの馴染みのルートはいつでも帰れる安心感がある。走行してる間に最も近い駅につくが、209km。あと1km。500メートルほど素通りし、Uターン。

無事、210km走破達成である。

次の日の膝の痛み、そして、筋肉痛は、言うまでもない。

route92

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