イタリアの内側を北上しながら進むジロ・デ・イタリア
7日目は、スルモナ~フォリーニョ 210kmの平坦コース。
コースレイアウト
スタート直後に2級山岳レ・スヴォルテ・ディ・ポポーリを登りきると多少のアップダウンを繰り返しながら淡々と進むコース。
ラスト40kmでステージ2つ目の山岳(4級ヴァリコ・デッラ・ソッマ)を終えると、難所は全て終了。緩やかな下りを経て、ゴール前20km、道はほぼ完全にフラットになる。
という J SPORTSの説明を見ると特にアタックするポイントがなさそうなので、ゴール前集団スプリントになるように思われる。
レース実況
序盤
レース中継は、残り90km地点から始まった。
逃げは6人。集団との差も3分程度とあまり大きなアドバンテージはなく、淡々と進んでいる。
中継が始まる前の山岳ステージでは、昨日ステージ優勝したティム・ウィレンスが4位通過で4ポイント、クネゴが6位通過で2ポイントで、昨日時点では1ポイントしかなかった二人の順位が入れ替わる。最後の4級山岳はあるが、逃げが残っていればクネゴにはポイントが入らないので、クネゴは山岳ジャージを手放すかもしれない。
残り45km地点
特に大きな動きもなく、メイン集団と逃げの差は、1分30秒程度。
まもなく、4級山岳地点。クネゴはどうするか。
43kmでクネゴとベルラート(NIPPO)が飛び出す。山岳ポイントを狙う。
しかし、ちょっとタイミングが遅いように思える。ベルラートも引くのをやめたので、
残り2km程度で1分差をクネゴ一人で追いつかなければならない。
山岳ポイント
クネゴのアタックは身を結ばない。しかし、レースに展開を作った素晴らしい選手だ。
逃げ6人から二人飛び出して、山岳ポイントをゲット。
メイン集団も1分程度まで差が縮まり、ダウンヒルに突入。
今日のスプリント勝負に期待されるキッテルはヒルクライムでは非常に辛そうな表情を浮かべ集団から10秒程度遅れている。
ダウンヒル
逃げのうち1人BMCのステファン・クンが飛び出し、残り5人が追走集団に。
1分遅れてメイン集団も爆走する。
カンチェラーラがダウンヒルでクラウチングスタイルで、トップを牽いているシーンもあった。クネゴも吸収された。
キッテルたちエティックス・クイックスステップも全力で攻めるが、集団との差は20秒程度まで開いてしまっている。
ダウンヒルが終わる頃には、キッテルは30秒差まで広げられた。
キッテルをスプリントにからませないために、ロットソウダル、キャノンデールがペースをあげているようだ。
残り25km
依然、ステファン・クンが1分差を守り独走している。
ロットソウダルのウェレンスが鬼引きで集団もペースが上がり、縦に長く伸びる。
途中、中切れを起こしそうな気配だ。
キッテルは完全に取り残されそうかと思ったが、なんとか集団に戻っている。
残り20km
徐々に集団はペースを上げる。
ゴール前は横風が強いという情報もあるので、各チームが好位置を狙って徐々に前へと態勢を作り始めている。
逃げのクンとの差は30秒。約400mほどまで縮まる。
集団は、ティンコフ、アージェイドゥーゼルなど総合系のリスク回避の動きが強まっている。
横風で中切れを起きて中切れを起こすリスクを意識しているようだ。
残り15km
逃げのクンとの差も20秒ほど。10kmまでに捕まりそうな展開。
集団はまとまって通過。横風が強い区間に突入しているようだ。
集団の前の方にできる限りチームごとまとまっている。
ロットソウダル、ティンコフ、ロットNLユンボなど戦闘にはラインがいくつも作られている。
残り10km
クンは一人逃げ続ける。10秒差。
そして、7km地点でいよいよ吸収。
残り5km
なんと!キッテルがメカトラブル。
バイク交換で後ろに取り残される。
集団もペースをあげているので、諦めてしまった。
残り1km
いよいよ集団スプリント。
キッテルが抜けて、オリカ・グリーンエッジ、トレック、ロットソウダルが好位置を取る。
まずは、オリカのアシストが先頭に抜け出し、ユアンを残り500mで発車。
ロットソウダルのグライペルはアシストがいなくなり、後ろに一旦引いている。
しかし、ランプレのスプリンターに乗り換えて、ラスト200で一気に加速、桁外れのパワーで抜け出す。
そのまま僅差のスプリント勝負を決めゴールに飛び込む。
今年のグライペルはスプリントはもちろんだが、フランドルなどのクラシックなどの坂がきついレースでもアタックを仕掛けたり、レースの幅を広げているように思える。
ドイツのゴリラまだまだ健在といったところだ。
これで、キッテルのポイントを上回り、グライペルがポイント賞ジャージを獲得した。
グライペルは、赤が似合う。
Route92