ジロ・デ・イタリア11日目
いよいよ今日が真ん中のステージ。
今日を過ぎれば折り返し。いよいよ本格的にジロっぽい山岳ステージへとクライマックスへと移っていく。まだまだ総合勢は横一直線で、優勝の行方はまだまだ分からない。
コースレイアウト
今日は平坦ステージ212km。
久々のスプリンターたちの集団スプリントが楽しめるか!?と思うが、コースレイアウトの最後に難所が待ち構えている。
205km地点から、4級フォルチェッラ・モスタッチン峠に登り始める。等級としては最も低い「4級」を与えられているけれど、全長2.9kmの坂道は、前半8.1%・後半10.2%とかなりの急勾配が続く。しかも終盤に最大16%ゾーンが待ち受けている。
この短い坂道では、パンチャーのアタックが見られるかもしれない。
また、残り5km地点にも急坂があり、ここをクリアして初めて最後のスプリントに参加するチケットを手に入れられるのだ。
スプリンターは、キッテルがリタイアした今、やはり最有力候補は坂も登れるグライペル、デマールあたりだろうか。
レース実況
序盤
残り90km地点から中継はスタート。
3人の逃げが形成され、集団との差は6分程度。
平坦基調で200km続くので、今回はとても平和なレース展開だ。
ところで、中継が始まるまでに序盤のマリア・ローザをキープしていたトム・デュムランが股ずれが悪化したためか、リタイア。
もともと、オリンピックのタイムトライアルが今年のメイン目標ということで、マリア・ローザは狙っていないと言っていたので、無理はしないということだろう。
レースは何も起こらないまま続いていく。
と思っていたら、落車。
結構な選手が巻き込まれて、足止めを食らう。
もっとも割を食ったのがポッツォビーボ(アージェイドゥーゼル)
1分以上総合勢から遅れてしまう。
残り25km
最大勾配16%を含む4級山岳。
3人の逃げのなかから1人抜け出し、山岳を目指す。集団との差も1分ほどまでちぢまっている。
残り20km地点で、クネゴが集団からアタックし、再度の山岳を狙う。
そして、逃げを山岳直前でつかまえる。
しかし、クネゴの足が止まる、総合勢の地力が強く、クルイシュウィックらが先頭で通過。バルベルデ、チャベス、ニーバリが続く。
ダウンヒル
総合勢の豪華な先頭グループがダウンヒルに突入。
道幅も細く、カーブも多いテクニカルなコース。
しばらくすると、ニーバリのダウンヒルアタック。
バルベルデとチャベスが続く。
そのまま坂を終えて3人でローテーションを回すかに見えたが、バルベルデのモビスターは後ろにアマドールがいるのでそれほど積極的に回さず、合流を視野に入れている。
ほどなくして、クルイシュウィックら追走グループが合流。
と同時に、アマドールがアタック。
マリア・ローザのユンゲルスのみがチェックに入る。
2人でステージ優勝を狙い踏み続ける。
集団はチャベス率いるオリカ・グリーンエッジが引くだけであまりスピードが出ない。
逃げの2人との差は10秒程度。
大きく差が広がらないまま、進んで行く。
残り5km
ランプレも集団を弾き始め、差が少し縮まったタイミングで、ウリッシが逃げの二人にジャンプして追いつく。
残り3km
ここで、ニーバリアタックで、先頭にでるが、バルベルデ、チャベスもつながり牽制に入ったため、逃げ3人との差は縮まらない。
今回は、スプリンターは生き残れず、このまま前の3人で決まりそうだ。
残り1km
集団との差も10秒程度のまま、3人がフラムルージュ(残り1km地点)を通過。
ユンゲルスが先頭を弾き続ける。ステージ優勝を狙ってだが、このなかではスプリントが強いウリッシが有利か。
そして、残り500m
ユンゲルス、アマドール、ウリッシのトレインが最後の牽制を始める。
そして、残り300mユンゲルスがもがく。
しかし、ウリッシがもがき始めると頭2つ飛び出て、アマドールが続く。
ウリッシが余力を残してゴール。
ジロ・デ・イタリア2勝目をあげた。
今回のレースは、残り25kmにロードレースの面白さがギュッと凝縮された名レースだった。
Route92