ジロ・デ・イタリア18日間
残すところ4ステージ。最終日は平坦なので、総合順位は大きく変わらないので、実質ここから3日間で総合優勝が決まると言っても構わない。
明日にチーマ・コッピ(ジロ・デ・イタリアで最高標高の地点)のステージを迎える前にも、面白いコースレイアウトのステージが待っていた。
総距離244kmと最長のタフなコースで、延々177km走った末の終盤に2級山岳。
そして、ゴール3kmのコースにちょっとした爆弾を抱えていて、最終局面がどうなるか予想もできない。
コースレイアウト
2級山岳 4.7km 平均勾配10.5% 最大勾配17%
ゴール前2km地点に500mと短いが最大勾配20%の激坂
レース実況
序盤
中継は、残り80Km地点から始まる。
メイン集団は、マリア・ローザを抱えるロットNLユンボがコントロール。
モビスターが2番手につづき綺麗に縦に伸びている。
逃げは多く24人もいる。
この時点で11分30秒も差がついている。
この中に唯一の日本人選手・山本元気が入っているらしい。
いつも元気なオスが今日も逃げている。
総合争いとは関係のないほとんどのチームから1名ずつは入っているようだ。
逃げはステージ優勝狙い。
メイン集団は、総合優勝狙い。
ジロ・デ・イタリアも残りが少ないので、チームごとの思惑が真っ二つに分かれて、このようなレース展開が生まれているのだろう。
逃げ集団内で争うレースとメイン集団で争うレース、二つのレースが同時進行している様相を呈している。
総合優勝争いは、マリア・ローザのクライシュバイク(ロットNLユンボ)を筆頭に、
2位チャベス(オリカグリーンエッジ)、3位バルベルデ(モビスター)、4位ニーバリ(アスタナ)、5位ザッカリン(カチューシャ)のタイム差5分以内の選手くらいまでに絞られているだろうか。
6位のマイカ(ティンコフ)は、逃げに3人も入っているので、優勝争いからは離脱という雰囲気になっている。
2級山岳前まで
2級山岳前のちょっと下アップダウン区間で少しレースが動く。
逃げ集団から飛び出して、ブラットが1人逃げになる。
追走集団との差は10秒程度。
メインは全く逃げ集団を意識していない。
残り30km地点で13分30秒差。
ロットNLユンボがレースが荒れないようにコントロールしているようだ。
とにかく、総合順位争いの有力選手だけは逃がさなければOKだ。
一人逃げのブラットはいま全選手の中で、一番力を使って逃げ続けている。
一度、ゴール地点を抜け、周回コースに入る。
一人逃げブラット
ゴール前の登りは石畳で強力な勾配だ。
追走も一気にばらける。
そして、すぐにダウンヒルが始まり、差をつけることができるポイント。
最後のアタックはここでおこなわれるか。
ダウンヒルが終わり、先頭集団が10人と小さくなったので、協調体制をしばらくとるようだ。ローテーションが回り始めて、分断されたチェイシンググループを置いて行こうとしている。
と思ってたら、ブラットが逃げ出す。
ティンコフが3人もいるので、回せということになりそうなので、他のチームの体力を削る意図だろう。
しかし、2級山岳前で終了。ずっと逃げ続けていたので最後の仕事だったのだろう。
これで逃げは9人に。
2級山岳
逃げ9人が山岳に突入。
少しずつ遅れる選手がでる。
アタックする選手がめまぐるしく変わる。
しばらくすると、キャノンデールのモゼールと、エティックスのブランビッラが抜け出る。
ナダルダスカスとブランビッラ
その後ろにオスを含む5名程度。
サッシャモドロ、トレンティンはさらに遅れる。
そうこう言ってるとメイン集団は街中へ。
ゴール前の細い激坂地点へ向かい、ポジション争いが激化。
細い道なので、渋滞を回避したいのだろう。
メインが1度目の激坂
クライシュバイクも先頭あたりで突入、問題なくクリアした。
そして、メイン集団も2級山岳に突入。
クライシュバイクのロットNLユンボはアシスト1人と減っている。
ロットNLユンボ
モビスターはバルベルデ含む3人。アスタナは、ニーバリ含めて5人。
ここでクライシュバイクを置いていく算段はないのか?
逃げ2人は協調しながら逃げ続けて、残り5kmに。
チェイシング4名との差は15秒差ほど。
チェイシング4名
両方に1名ずついるエティックスが有利か。
ゴール前最大勾配20%の激坂
逃げの2人が突入。
モゼールが先にアタック。
ブランビッラが遅れて冷静にアタック。
二人ともキツそう。モゼールもなんとか食らいついた。
二人で登りきり、ダウンヒルへ。
残り1.5km。後続と15秒差。このまま2人でいけそうだ。
残り700m
後ろからトレンティンの影が。。。
前の2人は少しけん制しながら進む。
残り250m
トレンティンが後ろにつく。
そして、ゴール前スプリント。
ナダルダスカスもがく、ブランビッラも後ろから伺う。
しかし、後ろから来たトレンティンが、スピードに乗ったまま前に抜けでて、2人を引き離し、そのままゴール!
第二部・総合リーダー争い
ステージ優勝が決まっても、10分以上遅れている総合勢のメイン集団のレースは続いている。第二部の開幕だ。
メイン集団もまもなく、街中の激坂へと向かっていく。
20名程度まで絞られているが、クライシュバイク、バルベルデ、チャベス、ニーバリ、ザッカリンなどのエースは揃っている。
先頭はロットNLユンボがコントロールしている。
残り3km
クライシュバイクが激坂を先頭で入る
激坂で一瞬バルベルデアタック。
しかし、集団は離れない。
ダウンヒルでも少しリードを広げるが、下り切る頃には全員付いてくる。
思ったほど、展開がないまま集団でまとまってゴール。
集団でゴール前へ
タイムボーナスも関係ないので、勝負は明日、明後日の山岳ステージに持ち越しだ。
Route92