2016年 4月3日、いよいよ春のロードレースの一つのピークを迎えた。
別名キングオブクラッシック、ツール・デ・フランドル(ロンド・ファン・フラーンデレン)が有力選手も故障なく無事出場し、晴天の中、開催された。
ベルギーでは国民的行事となっているツール・デ・フランドル。コースを埋め尽くす観客も凄いが、テレビの視聴率も凄いらしい。最近では知名度も上がり、世界中からツーリストが集まるらしい。来年あたり参加できるものなら参加してみたい。レースの前日には、実際のコースを走ることができる市民レースも開催されるらしいので、参加したい。
さて、今大会2016年参加の注目選手は、東西の横綱2人。お互いに過去3度優勝しているカンチェラーラ、トム・ボーネン。
そして、2015年世界選手権制覇・先週のヘント〜ウェベルヘムのスプリント勝負を制して乗りに乗っているサガン。
クラシックレーサーのセップ・ヴァンマルク。
他には、昨年の覇者クリストフなどか。
個人的には、今季限りで引退を表明しているカンチェラーラが得意とするレースだけに、最後に有終の美を飾って欲しい。
コースレイアウト
全長255kmの後半は、限られたエリアをぐるぐると回る周回コース。
とくに石畳の激坂が特徴。18個の坂のうち、3回登場するオーデ・クワレモント、2回登場するペテルブルク。
残り55kmからはこの二つの激坂に続いて、最大勾配22%のコッペンベルグが続く。
このコッペンベルグは、あまりの激坂に後ろで詰まった集団の一人が足を着くと、再び坂を自転車で上ることは不可能。自転車を担いで上る選手も多い。
そして、レースのクライマックスは、最後に3度目の登場のオーデ・クワレモントからペテルブルクの連続激坂。
ここから街まで10km走るとゴールなので、例年、このポイントでレースの行方はほぼ見えてくる。
ツールデフランドルのアツかったポイント・その1
残り100km付近グライペル(ロットソウダル)のアタック
緑色の周回も半分くらい過ぎた平坦で、一時落ち着いた集団から、グライペルが飛び出し、逃げ集団を一人で追い始める。グライペルという選手は、本来スプリント力に優れたスプリンター。しかも超ゴリゴリのパワータイプ。あだ名はゴリラ。
そんなゴリラが逃げるシーンは必見でした。
グライペルは、一人の追走者と一緒にそのまま先頭の逃げ集団に合流。
コッペンベルグ手前で一人アタックも見せてくれました。
レース終盤まで逃げ残り続け、存在感を示しました。
ツールデフランドルのアツかったポイント・その2
サガン、クフィアトコースキー、セップヴァンマルク飛び出す。
カンチェラーラ動かず。
残り30km。最後のオーデ・クワレモント、ペテルブルクを前に、サガンがアタック。
クフィアトコースキーがすぐに反応し、セップ・ヴァンマルクが少し遅れて合流。
結果として、逃げ集団にしっかり追いついた。
この3人の有力選手のアタックに対して、カンチェラーラは反応しない。
トレックのアシストはもう1人しかいない状態だったので、じれったさMAX。
逃げに合流して、45秒差くらいまで開く。
運良くトレック以外のチームも、先頭を引き出したので徐々にタイム差は縮まり、25秒程度で、オーデ・クワレモント突入する。
徐々に縮まるタイム差がアツい
ツールデフランドルのアツかったポイント・その3
カンチェラーラのオーデ・クワレモント
いよいよ、クライマックス。最後の激坂2連発。
その一つ目「オーデ・クワレモント」
サガン、セップヴァンマルク、クフィアトコースキーの3人と25秒遅れでカンチェラーラが突入。
ここで、カンチェラーラがいままで溜めに溜めていた足を解放、勾配20%を超える石畳の激坂を信じられないスピードで登っていく。
サガンとセップ・ヴァンマルクの2人との差を15秒近く縮める。
そのまま、最後のペテルブルグへ。
カンチェラーラなら、ペテルブルグでサガンに並ぶ!とアツくなるが、なんと、サガンもカンチェラーラと同じくらいの登坂力を見せる。カンチェラーラは、セップヴァンマルクを抜くが、サガンは10秒前をいく。
ゴールまで残り10km強。
サガンは、一人逃げ。それをカンチェラーラと食らい付いてきたセップ・ヴァンマルクで追う。
ペテルブルグを下ったところで、タイム差は15秒程度。TT世界王者だったこともあるカンチェラーラ有利と思ったが、タイム差はなかなか縮まらないまま、レースは進む。
残り5km地点で、13秒まで一瞬縮まるも、そのあとは逆にゆっくりタイム差が広がっていった。
サガンの足が思った以上に残っている。力強い走りでそのままサガンは単独ゴール。
ヘント〜ウェベルヘムに続く、クラシック連勝という偉業を達成した。
遅れること25秒、カンチェラーラがゴール。セップ・ヴァンマルクも続く。
サガンがアタックしたところに食らいつき、オーデ・クワレモントで差をつける展開であれば、また違った結果だったかもしれないが、サガンはロングスパートで底力を見せつけていたので、サガンが追いついていたかもしれない。
サガンの強さが目立った第100回ツール・デ・フランドル2016でした。
カンチェラーラには、4/10パリ〜ルーベの活躍を期待。
Route92