ツールドフランス開幕!初心者にレース観戦をオススメしない3つの理由

7月2日の土曜日、年に1度のロードバイクレースの最高峰「ツール・ド・フランス」が開幕した。ロードバイク乗りにとって、ロードバイク観戦は楽しみの一つである。自分の乗っているロードバイクを使っているチームや選手を贔屓にしながら、21日間の長くて、熱いツールドフランスの日程を寝不足になりながら、毎日観戦するのだ。

ツールドフランス

ツールドフランス

私は、去年のツールドフランスを始めて観戦し、今年からスカパーの「J SPORTS」に加入して、毎日3〜4時間の生中継を観戦する。楽しみである。

しかし、このロードバイクレース観戦。最初の頃は楽しさがわかりづらく、また、選手もたくさん、チームもたくさん、情報量が多すぎて、最初は全く楽しめない。

私は、今年の3月の春のクラシックレースからJ SPORTSで本格的な観戦を始めて、数十戦のレースを観戦した。そして、5月のジロ・デ・イタリア中盤くらいから、あれ、面白い、楽しめるようになったかも!?と純粋に感じ始めて、いよいよロードバイクレース観戦マニアへ一歩踏み出せたかなと思える程度。ロードバイクレース観戦を楽しむのはなかなか難しいのである。私は元来性格が根気強く、あるいは、粘着質なところもあるので、粘り切れたが、ロードバイク初心者にとっては厳しいだろうと想像する。

だから、初心者には「ツールドフランス」という最高峰のビックレースの観戦をオススメしない。

初心者には、1日で勝敗を決めるワンデーレースからの観戦を強くオススメする。3月や4月に多く開催される「パリ〜ルーベ」「ツール・デ・フランドル」のようなきたのクラシックレースが特におすすめである。

この理由を紐解いて説明してみる。ロードバイク乗りたての初心者の人が意気込んでツールドフランスを観戦して、「なんかつまんないなー」そう思っても致し方ない。しかし、それで観戦をやめてしまうのは勿体無い。だからこそ、最初は春のクラシックなどのワンデーレースの過去の名レースなどを楽しむところから始めて欲しいのだ。そうして、ロードバイクレースのイロハや選手名・チームなど必要な知識が増えてきた頃に、いよいよツールドフランス観戦にチャレンジしてみてもらいたい。

ツール・ド・フランス観戦を初心者にオススメしない理由

すごく簡単だが、致命的な理由なのだが、3つある。

  1. レース期間が長い。
  2. 選手名・チーム名・コースの特徴などわからないだらけ。
  3. 何が勝ちかわからない。

順を追って説明するが、これらの理由から、初心者には前述のように1日でレースの勝敗が決定するワンデーレースをオススメしたいのだ。

1.レース期間が長い

ツール・ド・フランスは、グランツールと呼ばれる3つのレースのうちの一つだ。このグランツールと呼ばれるのは、フランス開催の「ツール・ド・フランス」、イタリア開催の「ジロ・デ・イタリア」、そして、スペイン開催の「ブエルタ・ア・エスパーニャ」。これらはすべて21日間のレースで構成されている由緒正しいビッグレースである。

期間中は、2日間ほどの休息日が設けられるので、ほぼ1ヶ月間がレース開催期間となる。ほぼ毎日、200kmのコースを4〜5時間かけて選手たちは走り抜けるという過酷なレースなのだが、観戦する方にとっても過酷である。テレビ放映では少し短縮されるのだが、それでも毎日3〜4時間ほど観戦することになる。

初心者にとって21日間、毎日3時間のレース観戦を続けるのはかなり大変だろう。

前述したが、観戦するのも知識などの準備が必要だからだ。私も今年は、ツール・ド・フランス公式ガイドブックなるものを購入して勉強をしているくらいだ。

2.選手名、チーム名、コースなどわからないだらけ

クリス・フルームはご存知だろうか?

ペテロ・サガンは?

チーム・スカイは?

ラルプ・デュエズは?

まだまだいくらでも出せますが、これらのカタカナ語。選手名やチーム名、コース名称などだ。これらのカタカナ語についての知識が、レース観戦を楽しむための土台となっています。

ちなみにクリスフルームは、昨年のツール・ド・フランスの総合優勝者、ペテロ・サガンは、3年連続ポイント賞を獲得した選手、チームスカイは、クリスフルームが所属するチームの名前。ラルプ・デュエズは、アルプス山脈にある九十九折のツール・ド・フランスでも最も有名な坂の一つである。

ロードバイクレース観戦は、有力選手たちを中心の展開や流れを読むことが大きな楽しみの一つである。

しかも、その有力選手となる人が、毎日のコースの特徴によって入れ替わる。

平坦のステージなら、最後のスプリントに強い選手たち、山岳コースなら坂に強い各チームのエース級選手や坂に強いアシスト選手。大きく二つのレースが考えられるが、その間というコースもあったりして、中くらいの短い坂をガツンと登れるパンチャーという選手が活躍する場合もある。そして、それらに対して各チームがどんな戦略をとるかをなんとなく想像できるくらいにならなければ、本当の意味ではレースを楽しむことはできないのだ。

それは、選手名、チーム名、コースを知り、それを組み合わせて、各チーム戦略を想像できるくらいにならなければならないということだ。

はっきり言って超むずかしい。

ツールドフランスの参加チームは、22チーム。1チーム9人だから、198人選手がいる。全員覚える必要はないが、最低20人〜30人の選手名とその選手の得意分野と今年の狙いくらいは知っておきたい。そして、21ステージそれぞれでそれらの選手のうち誰が活躍する日かを考えてみるのだ。

知識なく見ているだけだと、レース中に前を逃げている人たちを応援することになるだろうが、大体その人たちは勝たないのでがっかりしてしまう。重要なのは、後ろにいる大集団。その中では、どのチームが追うのか、どこで仕掛けるかなどの戦略が随時展開されている。その動きを想像してレースを観戦できるようになるとレースは途端に面白くなる。

3.何が勝ちかわからない

初心者にとって不思議なのは、その日のステージ優勝者よりも、黄色のジャージを着ている人のことばかり喋ったり、祝福していることだろう。

これは、簡単なのだが、ツールドフランスは21ステージのレースの総合走行タイムが、最も短い人が総合優勝となる。

これにより、有力選手にとってある1ステージで勝つことが必ずしも重要ではないという状況が生まれてくる。。むしろ、総合優勝者が各ステージで1位になることの方が圧倒的に少ない。1勝か2勝する程度だろうか。

これが観戦を難しくしている。その日見ているレースで誰が勝つか!?をドキドキしながら見るのではないのだ。

F1であれば、各レースの1位のポイントが20ポイントで年間を通じてポイントが多い選手が総合優勝となったりするので、その場合は、マイレースやはり上位を狙うのだが、ロードバイクレースでは、捨てステージもあったりする。有力選手たちは、他のライバルたちとタイム差がつかないようにセーブしながら走る日も多い。

ステージ優勝ももちろん楽しみの一つだが、それ以外の総合優勝を狙う選手たちの順位やタイム差も1日のステージの中では重要な勝敗要素だったりするので、解説者の注目はそちらに行ったりもして、結局、この日のレースでは何が勝ちだったのか、初心者は何だか釈然としないこともあるだろう。これがステージレース「ツールドフランス」観戦の難しさを増している。

これらが、初心者にツールドフランス観戦をおすすめしない理由である。

初心者におすすめ、ワンデーレース

というわけで、これら3つの理由をクリアできるロードバイクレースの観戦を初心者にはおすすめしたい。

それが、ワンデーレースである。

特に私の一番のおすすめは、「ツール・デ・フランドル」である。

有名なスター選手・ファビアンカンチェラーラが得意としる厳しい坂がいくつもあるベルギーの街を走るレースだ。平坦ばかりのコースは盛り上がるポイントが少ないので最後の最後まで盛り上がらないのだが、春のクラシックレースの特にツール・デ・フランドルは、勾配10%を超える坂がなんども登場してその度に選手たちの緊迫感が高まり、レースの展開が激しく動く。これがたまらない。

そして、ワンデーレースの良いところは、その日に勝敗が決まり、一番速い奴が勝ち、という分かりやすさ。レース解説も1日のことだけを話しているので、選手名やチーム名など知らなくても、解説さえきちんと聞いていれば、その1にちのレースを十分楽しめる。

これまでのツールドフランスをおすすめしない3つの理由が、ワンデーレースには当てはまらないのだ。

  1. レース期間が長い。
  2. 選手名・チーム名・コースの特徴などわからないだらけ。
  3. 何が勝ちかわからない。

レース観戦を始めるなら、ワンデーレースが圧倒的におすすめである。