「弱虫ペダル」に飽きたら「のりりん全11巻」も

自転車漫画といえば、「シャカリキ!」がファーストコンタクトの世代ですが、弱虫ペダル同様、高校生のロードレースが題材の熱血スポーツ漫画。

「め組の大吾」や「昴」、「カペタ」などのヒット作を世に送り出した「天才」を描く天才の「曽田正人さんの作品なので面白さは折り紙付き。坂バカの主人公が、どんどん自転車の才能を開花していき、さらにライバルも個性豊かな天才たちで、バトル漫画としては、個人的には弱虫ペダルより面白い。

弱虫ペダルはキャラクター祭りで、ワンピース的な面白さだと思うので、それはそれでもちろんいいと思いますが、バトルの緊張感、先の展開が気になりページをめくる速度も上がってしまう臨場感は、シャカリキの方が強い気がします。

とにかく、アツいですが。

そんな、アツいスポコン、友情漫画ばかりを読んでいるとちょっと胃がもたれる年になってきた私が、最近お気に入りなのは、「のりりん」

のりりん

自転車、ロードバイクを題材にした漫画ですが、レース的な要素はほとんどなく、(最後の方にありますが)、車好き(走り屋)で、自転車嫌いの主人公が、なぜかロードバイクに乗りはじめて、どんどんロードバイクにはまっていく日常を、丁寧に描いている漫画です。

ロードバイクの根源的な楽しみを、自転車嫌いの主人公でさえはまっていくという流れで、説得力のある形で描いていて、自分がロードバイクにはまったことを、「そうだよね」「あるある」的な納得感を持って、左脳で理解させてくれます。

ちなみに、1巻の表紙の女の子は、主人公ではなく、ヒロイン?的な自転車がとにかく速い子です。

「30歳からは、自転車ね」というくだりが好きなのですが、

要約すると、10代、20代は、自分の能力を超えて背伸びするために「車」や「バイク」で、自分以上のパワーを味わいたい欲求が強いが、ある程度自分の能力の限界を知ってきた30代は、自分の力で走らせる自転車を通して、自分の能力を再確認して、自分を自分で認められる。それが30代から自転車を始める魅力であるということ。

移動手段ではなく、自転車を楽しいのは、乗れば乗るほど、乗れるようになる自分の成長というご褒美だと思う。

日常ではなかなか味わえない。もしくは、測るモノサシがない成長を自転車は5感で感じることができる。そこが自転車の魅力だと思う。

RPGのレベルアップしたときの喜びに似ているかもしれない。

実際は、それよりも大きな達成感が、自転車では味わえる。

RPGのラスボスをレベルを上げて楽勝にするような成長感が、ロングライドの大ボス「激坂」を以前よりも楽に速く走れたりすると味わえる。

そんな自転車の喜びを「のりりん」では、納得感のある描写で追体験させてくれます。

ロードバイクのある日常の面白さをこれだけ丁寧に描いている漫画は他にないと思います。

また、道路のどこを走るのかなど、初心者が迷いがちな交通ルールなどもわかりやすく描いているので、ロードバイク初心者には超おすすめの漫画。

Route92

にほんブログ村 自転車走行日記