奥多摩の風張峠のヒルクライムで、すっかり膝を痛めた帰り道。残りの40kmはさながらゾンビであった。
しかし、ゾンビの帰巣本能も強いらしく、からだは死んでいても、足は動き続ける。もう、早く帰って寝たい。それが、永遠の眠りだろうとも。そう思い詰めながら、ゾンビはひた走るのだ。
しかし、新米ゾンビはゾンビの癖に膝が痛い。死ぬほどのダメージを受けているのだから当然と言えば当然なのだが、ゾンビなら痛みも感じなくしてもらいたいところである。
膝の痛みを極小にするにはやはり負荷を減らすべく、ギアを普段より2枚くらい軽くするのが良さそうだった。しかし、軽いギアだと進まない。スピードとペダルの軽さ、両雄並び立たずが世の常か。
22kmくらいのスピードだといつになったらゾンビはホームに着くのだろうかと陰鬱な気持ちになりかけたところを踏ん張って、とにかく回すことにした。出来る限り速く回そう、いたくない感じで。
ゾンビ走法からの高ケイデンス
しばらく回していると、踏み込む力かなくなっているため、引き上げの力を意識したら速くなってくる。踏み下ろす力はあまりかけずに腿の前の筋肉を使い、ペダルを回す。そして、もう片方の足は軽い踏み込みで次の引き上げに備えるのだ。
そのペースを少しずつあげると、平均ケイデンス85くらいで踏み込んでいたのが、常に90後半に、100程度をうろうろするようになる。
スピードも軽いギアで30いくかいかないかのペースになってきた。ゾンビらしからぬ素早い動きだが、楽なわりにスピードが出ている。
まさかの両雄立つというキセキ。
しかし、それなりに息が苦しくなってきているが、ゾンビはそっちはなんとか耐えられた。膝の痛みよりはマシなうえ、筋肉の疲れがあまりないのだ。
あと、高回転を持続することで、慣性が強くなるため、楽に回せるような気がする。丁度80くらいでそこそこの負荷を感じ続けるよりは、90を越えて楽な負荷で回すのが良さそうである。
それ以降、ギアは軽めに高回転。ごはん軽めに八分目。を合言葉に乗り続けていると、ここぞというときにギアをあげたときも、多少重くて、ケイデンスをあげられないゾーンで、少し踏ん張って抜けると、結構楽にハイスピードを維持できることを体感する。
多摩サイで40kmを1~2km程度維持することが普通にできている。ノーマル鉄下駄ホイールの底力だ!
と思いつつも失速。そして、横っ腹が痛くなり、帰りの向かい風にもやられる結果になる。
でも、高ケイデンス走法の兆し?のようなものが見えた気がする。
自転車の夜明けは近いぜよ!
と誰かがいったような気がした。
気のせいのような気もする
route92