8/10のリオ五輪は、個人的にピークを迎える。
気になる競技はロードバイクの男子自転車タイムトライアル。
リオデジャネイロのコパカバーナビーチから始まり、小高い山岳を含む55kmのコース。
日本人選手が一人も出ないので、残念ながらテレビ中継はない。しかし、NHK様がウェブサイトとアプリでライブ中継配信をしてくれる。
自転車競技はまだまだマイナー競技だなと実感しつつも、ネット時代は良いものだ。と現代に生まれた幸福を一人祝う。
注目選手は、数多くいるが、一番は何と言っても、今季限りで引退を表明する世界が愛したスイス人ライダーのファビアン・カンチェラーラ。得意のタイムトライアルだけに期待感は高まる。ツールドフランスのタイムトライアルでは奮わなかったが、オリンピックに向けて調整してきているか気になるところだ。
カンチェラーラ以外にも有力選手は多い。ツールドフランスのタイムトライアルで大活躍したトム・ドゥムラン。ツールドフランス覇者でもあり、山岳タイムトライアルでステージ優勝を飾ってもいるフルーム。このほかには、タイムトライアルスペシャリストのトニー・マルティンやローハンデニスあたりが注目だ。
有力選手ほど出走順位が遅い。後ろから8番目にローハンデニス、5番目がカンチェラーラ、4番目が、トニー・マルティン、2番目がトム・デュムラン、最後にフルームというスタートリストである。
さあ、いよいよ彼らの熱い走りが始まる。
注)結果を知らない人、見たい人は見逃し配信もやっているのでそちらをどうぞ。
ロードバイク男子自転車タイムトライアル実況
序盤・第一計測 10km地点
第一計測地点までは、なかなかの登りが続く。第一計測からローハンデニスが調子が良かった。それまでの記録を20秒近く上回りトップ通過する。そして、その後をカンチェラーラが通過。ほぼ同タイムだが、1秒ほど上回りトップ通過。さらに残りの三人も通過したが、カンチェラーラは暫定トップの順位を守った。
第二計測地点
続いて、第二計測地点。下りと平坦のミックスといったレイアウト。ローハンデニスが順調にタイム更新。やはり20秒近くトップを上回る。続いてカンチェラーラだが、なんと今度はローハンデニスから20秒ほど遅れてしまった。その後トム・デュムランが2番手につけるタイムを出し、フルームが4番手で通過した。
第三計測
第三計測でも引き続き、ローハン・デニスがトップを守る。カンチェラーラ、トム・デュムラン、フルームとほぼ変わらず続いていった。
第四計測
第四計測地点。ローハンデニスがトップを更新する。次にカンチェラーラ。ここでなんとローハンデニスを一気に20秒上回った。第三と第四の間のアップダウンはカンチェラーラ砲の発車ポイントだった。残り20kmの長距離砲の発射である。ここからただただ落車しないことを祈るばかり。
トム・デュムランはローハンデニスから20秒遅れ、フルームもほぼ同タイムである。
カンチェラーラが一人飛びぬけ始めた。
第五計測
最後の計測ポイント。すでに1時間近く走っている。ローハンデニスはここで失速。後半のアップダウンで脚を使い果たしたのか、一気に遅れる。そして、カンチェラーラ。なんとここで1分近くトップタイムを上回った。全盛期のカンチェラーラのように他の選手が止まって見えそうである。トム・デュムラン、フルームも1分近く離してしまった。
ここからは下り坂である。到底この差は縮まりそうにない。落車さえしなければ金メダルは確実である。
ゴール地点
カンチェラーラの長距離砲がスピードを上げたまま、無事ゴールゲートに着弾。トップタイムを1分上回ったままゴール!あとは残りの四人を待つばかりだ。
トム・デュムランは47秒遅れ、フルームは、1分2秒遅れてゴール。
終わってみれば、カンチェラーラの圧勝であった。
金メダルが決まった瞬間のカンチェラーラの喜びようが子供のようでもあり、しばらくして男泣きする様はやり遂げた大人のようでもあった。春のモニュメントのツール・デ・フランドル、パリ〜ルーベ、ツールドフランスのタイムトライアルやスイスベルンの地元ステージでも残念ながら優勝できなかったスパルタカスは、この最後のオリンピックという大きな舞台で有終の美を飾った。これで思い残すことはないのかもしれない。
個人的には、来年の春のクラシックまでは走ってほしいけどね。
男子自転車タイムトライアルリザルト
- ファビアン・カンチェラーラ 1:12:15.42
- トム・デュムラン 1:13:02.83
- クリストファー・フルーム 1:13:17.54
金メダル!ファビアン・カンチェラーラ!のコールと同時に授賞式の台へ飛び上がって喜びを表現するカンチェラーラの笑顔はリオ・オリンピックの中でもとびきりの名シーンであった。
トム・ドュムラン、フルームの2016年のタイムトライアルでは最強の二人を破っての金メダルは、最後の年のファビアン・カンチェラーラの執念が実ったのかもしれない。それぐらいの喜びを表現していた。
私のリオ・オリンピックのピークはこれで終わりかもしれない。
あとは、近代五種とマウンテンバイクぐらいかなぁ。興味あるのは。
いやぁ、トレックのロードバイクが欲しくなるレースだった。
あとタイムトライアルを見ているとディープリムホイールが欲しくなりますわね。