パリ〜ニース5thステージ 強力な逃げ

パリ〜ニース5thステージは、山岳。サン=ポール=トロワ=シャトー~サロン=ド=プロヴァンス 198km

2級山岳が幾つもある山岳コースの終盤からの中継。

アントワーヌ・デュシェーヌ(カナダ、ディレクトエネルジー)が残り30km強で、1分半程度のリードで一人逃げをしている状況。残り二つの山の一つ目の2級山岳も一人先行して上り切る。そしてすぐに最後の2級山岳に突入する。

ここでメイン集団から動きがある。アスタナのルトセンコがアタックを開始。

先頭で独走を続けていたデュシェーヌに残り17km地点で追いつく。そして、しばらく並走した後再びアタック。

1分のリードを得た状態で独走に持ち込む。

メイン集団には、山が苦手のスプリンタークリストフを引いてカチューシャが合流する。しばらくして今日のステージ優勝をかけてカチューシャがメイン集団のペースをあげる。

そのままジリジリと先頭を走るルトチェンコとの差が縮まり、残り13kmの地点で30秒程度になり、視界にとらえた。ルトチェンコも疲れた様子だ。

いつでも追いつけるとメイン集団もペースを落として最後のスプリント勝負まで息を整える。

しかし、これがルトチェンコの偽装で、しばらくして一人タイムアタックを始める。

実はルトチェンコはタイムアタックを得意とするオールラウンダー。まだ23歳だが、2015年のツール・ド・スイスでもステージ勝利をあげていた。

ここから猛烈なアタックを続けるルトチェンコ。その平均時速は55km。

残り10km地点でメイン集団とのタイム差は40秒に広がっている。

メイン集団も積極的にペースをあげるモチベーションを持っているのはカチューシャくらいで、なかなかペースがあがらない。カチューシャもこれまでの追い上げで足を使っている。

そのまま3km地点も通過、いまだにタイム差は30秒程度、しびれを切らしてようやくメイン集団もペースを上げたが、時すでに遅しとはこのこと。猛烈なスピードを維持したままルトチェンコは残り1km地点も1人で通過。集団はまだ来ない。

最後のゴール前はカーブも多く、1人の方が有利だ。

メイン集団がようやく1kmを通過する頃には、ルトチェンコは残り500m通過。タイム差も20秒程度。

そのまま、ゴール前の直線になだれ込む。後ろを振り返る。集団はまだこない。

勝利を確信するルトチェンコ。

そのままゴール。

素晴らしい逃げを見せたルトチェンコが勝利をつかんだ。

2着には、まごまごしていたカチューシャのクリストフがなだこんだが不満気だった。

Route92

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