ジロ・デ・イタリアもいよいよ最終週に突入。
グランツール総合リーダージャージがまだ着慣れていないクルイシュウィックがこのままの調子で優勝するのか、はてまた、ニーバリ、バルベルデの巻き返しなるか、まだギリギリの可能性が残っているなか白熱のレースは続く。
見逃せない。
コースレイアウト
総距離は、たったの132kmの短距離決戦。
まずは、中盤の2級山岳。
2級パッソ・デッラ・メンドーラの山道は全長14.8km。麓から山頂まで一定勾配が延々と続く(平均6.5%、最大10%)
だらだら続く長い登りだが、ここでは大きな動きはなさそうだ。
やはり見所は残り20kmから登場する2つの山岳。
ラスト20kmには2峠が詰め込まれた。1つ目は2級ファイ・デッラ・パガネッラ(10.2km、7.4%)。山頂付近には、最難関15%ゾーンが待ち受ける。ところが山頂のアーチをくぐった後も、さらに1km程度は登り……という設定らしい。そこからようやく2kmほど大急ぎで下ったら、3級アンダロ(6.1km、3.2%、9%)を上り詰めてフィニッシュへ。
この1つ目の2級がアタックポイントか。
チーム力の高いアスタナ、モビスターがニーバリ、バルベルデを押し上げられるか。
それとも好調がつづくクルイシュウィックが個人の力で、勝ちきるのか。
レース実況
序盤
中継は残り80km地点、最初の2級山岳を上り始めたところから始まった。
集団は、徐々に伸びているが、モビスターがコントロールしてペースを上げている。
アスタナ、ロットNLユンボも当然のように続く。
メイン集団は淡々といくかと思いきや、アタック合戦が始まる。
ザッカリンがアタック。
総合6位4分40秒遅れなので、ここはクルイシュウィックは見逃す。
その後もブランビッラがアタックして、クネゴなどもついていく。
このアタックはつぶされる。
そして、バルベルデアタック。
これはさすがにみんなでチェック。
ロットNLユンボのアシストがチェックすべきだが、すでに少し遅れているのでクルイシュウィック自らチェック。
バルベルデ吸収。
ザッカリングループが一瞬、逃げ集団となり、その後ウリッシも先頭に合流。
しばらくすると、なぜかザッカリンも集団に戻っている。
逃げがあまり安定していないためか、一人ずつアタックしたりしながら、集団が落ち着かない。山岳賞をねらうクネゴもペースを上げ始める。
ユンゲルスアタック
ヤングライダーのユンゲルスがアタック。総合順位も低めなので、見逃され何人かで、そのまま逃げを形成。
ここでニーバリがメカトラブル。
少し足を使うことになったが、すぐに集団に戻る。
そして、バルベルデがアタック。
ザッカリン、クルイシュウィック、ニーバリもなんとかつづく。
またすぐ落ち着き、集団に戻る。
あわただしい動きがつづく。
どのアタックが成立するのか。
逃げは6名になって、山頂へ。
クネゴはポイントが高い選手がいないので体力温存。
ニーバリがアタック。
ニーバリアタック
バルベルデ、クルイシュウィック、ザッカリンが続いて、山頂通過。
これから長い下りが続く。
ニーバリのダウンヒルアタックが出るか?
ダウンヒル
逃げは6人。
ユンゲルスが先頭で逃げる。
ニーバリもスピードを上げていく、すぐ後ろにバルベルデ、さらにクルイシュウィック、ザッカリンの4名が弾丸になって坂を転げ落ちていく。
アップダウンのアップのところで、逃げに追いつく。
これでマリア・ローザグループの逃げが10名に。
アスタナのアシストが1人いるのでニーバリが少し有利か。
先頭集団10人
チャベス、マイカはもう少し後ろか?
チャベスは33秒遅れ。
その後ろにクネゴたちが1分差。
先頭のマリア・ローザ集団は、モビスターとアスタナの牽制もありなかなかペースが上がらない。バルベルデ一人というのが災いか。
ニーバリ、バルベルデとしては、2位のチャベスを引き離すチャンスで目論見は合いそうなものだが、うまくいかない。
勝敗を決するのはやはり最後の20kmということか。
先頭集団
- ユンゲルス
- ニーバリ
- バルベルデ
- ウリッシ
- ザッカリン
- クルイシュウィック
- ロペス・ガルシア
- カンゲルト
- フィルサロフ
- ドンブロウスキ
なかなか思惑がバラバラだ。
ステージ優勝を狙う選手と総合順位争いと大きく分かれている。
チャベスグループはオリカとティンコフが引いて、ペースを上げているが思うようにタイムは縮まっていかない。
中間スプリント
残り38km地点にある中間スプリント。
すこしもがいて、ウリッシ、バルベルデ、ニーバリの順に通過。
まだ、10人の先頭集団が走り続けている。
チャベスとの差もほぼ変わらない。
全員が振るスピードで駆け抜けているという状況だ。
中盤の平坦
10人からキャノンデールのドンブロウスキが遅れる。
すこし不満げな言動をしていたので、後ろのウランのために戻ったのか。
こうなるとチャベスグループもすこし挽回できるチャンスになる。
先頭の9人。
積極的に回すのは、順位を上げるチャンスのある総合勢。
ニーバリ、ザッカリン、クルイシュウィック、バルベルデ、ユンゲルス、カンゲルト
ウリッシ、フォリサロフ、ロペス・ガルシアは回らない。
残り20km
まさかの早々に激化したバトル。
熱いまま、2級山岳に突入。
10.2km 平均勾配7.4% 最大勾配15%
残り18km カンゲルトが仕事終了。いよいよ個人の力勝負に、
チャベスもペースをあげる。ポッツォビーボ、マイカが続き、20秒差まで近づく。
ステージ優勝を狙うロペスガルシアがアタック。
ザッカリン、クルイシュウィックがチェック。
ザッカリンのチェック
ロペス・ガルシア二回目はじわじわアタック。
すこーしずつ差を広げていく。
総合勢は追わない。フィリサノフ、ウリッシも力が残っていないか。
バルベルデアタック!
クルイシュウィックがチェック、ザッカリンも続く。
ニーバリが遅れる。
チャベスグループも差を縮めてくる。
グループ再編。
先頭は3人。ザッカリン、クルイシュウィック、バルベルデ。
ニーバリ、ユンゲルス、フィルサロフ、ロペスガルシア。すぐ後ろにチャベス、マイカ、ポッツォビーボ、ウリッシ。20秒差。
最大勾配15%区間
残り10kmのゲートの先に待ち構えていた最大勾配15%の激坂。
先頭3人とチャベスグループの差は30秒。
チャベスアタック!
なんと、ニーバリが遅れてしまう。
ニーバリが遅れる!
先頭3人バルベルデ、ザッカリン、クルイシュウィック。
追走にチャベス、マイカ、ユンゲルス。
すこし空いて、ニーバリ、ポッツォビーボ。
最後の5kmの三級山岳に突入。
最後の三級山岳
残り5km
バルベルデ、ザッカリン、クルイシュウィック
25秒遅れてチャベス、マイカ、ユンゲルス他
50秒遅れてニーバリ、ポッツォビーボ。
タイム差は徐々に広がる形で、坂を登っていく。
先頭の3人が一番ペースが速いようだ。
ゴール前
ザッカリン、バルベルデ、クルイシュウィックで、ゴール前突入。
スプリントならバルベルデが有利だ、
ザッカリンが引いていたが、バルベルデがグッとペースをあげると、諦める。
そのままバルベルデが抜け出たまま、ゴール。
クルイシュウィックは後ろに着いたが優勝は見送る。
バルベルデ、自身初のジロ・デ・イタリアステージ優勝。
ウリッシ、ユンゲルス、ロペスガルシアなどがつづく。
そして、総合勢。
チャベスがゴール41秒遅れ。
マイカ48秒遅れ。
さらに、ニーバリ1分47秒遅れ。
休息日明けのレースは、最初の山岳からずっとアタックが続いた。
ゴールタイムも3時間を切り、平均時速45kmと超ハイペース。
クルイシュウィックは終始、危なげないポジションをキープし強さを見せつけた。
2016年のジロ・デ・イタリアの中でも展開が多く、見応えのあるステージだった。
本日終了時点の総合順位
- クルイシュウィック
- チャベス 3:00
- バルベルデ 3:23
- ニーバリ 4:43
- ザッカリン 4:50
- マイカ 5:34
バルベルデ以外はクルイシュウィックにタイム差を広げられる結果となった。
Route92