ツールド奥多摩 その3 決死ダウンヒル

頂上を見失った私は

月夜見山の頂上にあったはずの標識は、おそらくすでに通り過ぎてしまったようだ。さすがに戻る気力などない。

このまま下ろう。

時速50kmくらいはでちゃうだろうから、さすがに防寒のチェックをして一気に下る。

Goproでダウンヒルを撮影する準備もし、充電が切れかけたガーミンも予備バッテリーと繋いで充電する。

ダーーーーーーーーーーーーと下り続ける。すでに4時を回っているので、若干薄暗いが、サングラスを外すのもさすがに目がいたくなりそうなので、気合で下りつづける。

ドロップの下を握り、ブレーキを軽く当てながら40kmオーバーのスピードで下り続ける。

しばらくすると指先の感覚がなくなり始める。

そして、次に痛みが出てくる。

このまま降りてると指がちぎれるんじゃないかと思いながらも、ブレーキを当て続けて、延々寒いのも辛いのでスピードを一定に進み続ける。といってもガーミンを見る余裕もない。

下り続けること45分。

急坂は終わり、檜原村役場のあたりにでる。

檜原村

壊れかけた膝を休めるには十分だったと言えるが、飽きるほどに長かった。

と思っていたが、まだ下りを挟みながら道は続いている。時折ちょっとだけ登りがあるとまだあるのかとヒヤヒヤさせられるがすぐに終わり、緩い下りか平坦な道に戻る。

そして30分、急に田舎の風景が終わり、市道に戻る。

平坦な道が恋しかったところだ。

アウターの軽いギアにして進み続けるが、膝の痛みが深刻化している。

ペダルを回すたびに痛みが走るのだ。

いつもより2段くらい軽めで足の負担を減らし、ケイデンスを100超にして進むと負担が少ないし、28kmくらいのスピードはでる。

この方が足の負担が少ないのか、と疲れた体だからこそ再発見した。

そのまま、膝の爆弾をだましだまし進んでいくが、いよいよ右膝の痛みが限界を迎える。

次に出てきたコーヒー飲めるところで休もうと心に誓うと、ロードサイトのコーヒー店があった。

ドトールなどとは違う普通のコーヒーやみたいな感じだ。珍しい。コメダコーヒーみたいなところだ。

店内から見えるところに自転車を止め、異様な出で立ちのまま奥へと進む。

ビートルズのモチーフが多いコーヒーショップで、ケーキとアイスコーヒーを補給する。

やすむこと30分。3度目の休憩は長めになった。

膝の痛みは軽減しているが、まだ無理はききそうもない。

あーそれにしても極寒のダウンヒルの対策は必要だな。

少なくともグローブはなんとかしないと指がちぎれそうだったな。

周囲から浮いたサイクルウェアでしばし放心する。

のこり40km。

1時間半くらいか。最後の気力をカフェで蓄えたつもりだが、レジへ進む足はそれほど軽くない。

膝の爆弾をだましだまし、高ケイデンス走法で緩めに飛ばす。

もうくらいので、多摩サイは避け、幹線道路と裏道を進む。ガーミンが推奨したルートだが、ちょっとした裏道を進むので、少し迷うところもある。だが、距離的には確実に最短ルートなので、心強い。

残り40kmの辛い帰路は初めての道が多く、それなりに楽しめたし、世田谷区に入った時はテンションが上がる。

そして、カンパチにたどり着いた時にはもうあと少し。気分的にはまだまだ走れるテンションだった。しかし、膝は限界だったが。

ついに家の近くのスタート地点のコンビニに到着。

177kmのツールド奥多摩は終了。

センチュリーライドなら余裕でクリア。

総走行時間は7:45と平均時速25kmはクリアできず。

休みも入れると10時間半も走り続けた結果に。

残り1時間半で33km走れば佐渡島ロングライドを完走はできるが、坂の多さ次第では無理だろうと。

もう少し走りこまないといけないと再認識した一人奥多摩ライドでした

route92

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